ヴィーガンは健康?不健康?

ヴィーガンは取り入れ方次第で健康にも不健康にもなります。 ヴィーガンは肉類、魚介類、乳製品、卵、はちみつといった動物性食品を一切口にしません。そのため、不足しがちな栄養素が出てくるのは事実ですが、健康へのメリットがあることも事実です。

 肉を食べる人に比べて、菜食を実践している人はがんの発症リスクが低いです。また、肉に含まれるコレステロールや飽和脂肪酸の摂取を抑えられるため、内臓脂肪が減り、生活習慣病のリスクが下がります。

 植物性食品を摂取するからといって、過信はいけません。ファーストフードや添加物てんこ盛りの食品ばかり食べていたら、不健康を助長することは容易に想像できるでしょう。 偏った食品ばかり食べると、栄養バランスが崩れます。ヴィーガンの健康効果を得るためには、植物性食品の中でも栄養素に偏りがないよう、バランス良く食べることが重要です。
 
 では、ヴィーガンを実践する場合、どのような栄養素を意識的に摂れば良いのでしょうか。当たり前ですが、動物性食品に多く含まれる栄養素が不足しがちになります。具体的な栄養素を示します。

<たんぱく質>
肉や魚、卵には良質なたんぱく質が豊富に含まれています。たんぱく質が不足しがちになるのは事実ですが、穀物や野菜にもタンパク質は含まれているのでそこまで意識する必要はありません。たんぱく質が不足すると、髪や爪、皮膚などに影響を及ぼすだけでなく、免疫力の低下につながる可能性があります。

<ビタミンB12>
 レバーや魚介類に多く含まれるビタミンB12が不足します。 ビタミンB12が不足すると、貧血、脳や神経の機能低下などを引き起こす可能性があります。ですが、ビタミンB12は腸内細菌によっても合成されるため、急激に減少することはありません。胃全摘手術などにより、内因子の分泌がない場合には、吸収出来ずに減少する可能性はあります。場合によってはサプリメントが必要になることもあるでしょう。

<ビタミンD>
 カルシウムの吸収を助ける働きがビタミンDは、鮭などの魚類に多く含まれているため、不足しがちになりますが代替品があるのでこれはそこまで気にする必要はありません。ビタミンDが不足すると、カルシウムの吸収が悪くなります。また免疫機能の低下に繋がります。

<カルシウム>
牛乳などの乳製品や、小魚などに多く含まれるカルシウムもヴィーガンに不足しがちな栄養素と言われますが代替品がありますので問題ありません。カルシウムが不足すると骨粗鬆症の原因に。

<亜鉛>
牛肉や豚レバー、カキやホタテなどに多く含まれる亜鉛も、ヴィーガンに不足しがちな栄養素です。亜鉛が不足すると免疫力が低下し、疲れやすくなったり、肌荒れを起こしたりします。亜鉛は味覚を正常に保つ機能があるため、不足すると味覚障害を引き起こします。亜鉛も代替品があるので問題ありません。

<鉄分>
鉄分にはヘム鉄と非ヘム鉄の2種類があり、ヘム鉄は動物性食品にしか含まれないため、ヴィーガンは非ヘム鉄しか摂取できません。非ヘム鉄はヘム鉄よりも体に吸収されにくいです。しかし、一般に日本人が食事から摂取する鉄の85%以上が吸収率の低い非ヘム鉄なのが現状です。そのため、通常より多く鉄分を摂る必要があるでしょう。鉄分不足になると、貧血やだるさ、頭痛や免疫力の低下などを引き起こす可能性があります。

<オメガ3脂肪酸>
オメガ3脂肪酸は青魚などに多く含まれているため、ヴィーガンには不足しがちな栄養素と言われていますが、代替品があるのでそこまで心配する必要はありません。オメガ3脂肪酸は脳の機能を正常に保つ働きがあるため、不足すると脳や神経、皮膚などに悪影響をもたらす恐れがあります。

ヴィーガンは決して不健康なわけではなく、取り入れ方次第で健康効果を得ることができます。とはいえ、動物性食品から突然植物食品に変えると身体がすぐに対応できないため、不具合が出るのは事実です。代替品を上手に活用すれば、ストレスフリーで健康的なヴィーガンライフを送ることができるでしょう。

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